たとえ愛なんてなかったとしても
「メイリンがせっかく作ってくれたものを捨てるなんて、できないよ。

でも次からは本見て作るか、兄さんと一緒に作ろうね」  


「......兄さん」 



しかし、やつは俺の予想に反して、怒るどころか、見なくてもどんな顔で言ってるのか分かるほどの優しい声で、男を見せたのだ。

......やっぱりただ者じゃない、色々な意味で。
 


「ほら、兄さんは大丈夫だから、先に戻ってて?すぐに戻るから」



そのやりとりの後、すぐにドアが開き、ヒョンスと目が合う。

ヒョンスは俺を見た瞬間に笑顔を作ったが、どこか顔色が悪く見えた。



「エリック!顔色悪いみたいだけど、体調でも悪いの?」


「......そっちこそ。俺よりもお前の方が、よっぽど顔色悪く見えるけど」



こんな時にまで人の心配とは、本当に呆れたやつだ。人の心配なんてしてる場合か。

呆れた、やつ......。
同じリーダーでも俺とは全く違う。
< 480 / 559 >

この作品をシェア

pagetop