たとえ愛なんてなかったとしても
「ごめんね?
今度一緒に服買いにいこ?

ゆきりんにコーディネートしてほしいな」



ご立腹のゆきりんの膨らんだ頬を撫でながら、なんとかご機嫌をとる。


女の子は笑った顔が一番可愛いけど、ゆきりんは怒った顔も可愛い。


笑っても、怒っても、どんな顔をしてても可愛いんだ。


こんなに可愛いゆきりんだから、もちろん他の男からも人気がある。



「今度のオフに買い物行く?
たしか来週の火曜の夕方から空いてるんだよね」


「ジュンちゃん、ごめーん......。
その日はモデルの男の子と朝まで遊ぶ約束しちゃった」


「そうなんだ、じゃあ仕方ないね。
楽しんできなよ!」



ゆきりんは彼氏である僕を一番に優先してはくれるけど、たまには他の男とも遊びたいみたいだ。


それは僕も同じで、もちろんゆきりんが一番好きだけど、他の女の子とも遊びたい。


同じ考えを持つ僕たちは、二人で決めたルールさえ守れば、お互いの行動には口出しはしないことにしている。


人によっては乱れてると思われるかもしれないけど、これで上手くいってるから別にいいんじゃん?


一応相手は選んでるから誰彼構わずってわけじゃないし、付き合い方なんて、人それぞれなんだし。


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