シンデレラガール〜私と病気と失恋と〜
点滴を始めて15分ほど経った時、


私に付き添って、ベッドの横に腰掛けていた母が、


『吐き気はおさまった?』


と心配そうに聞いてきた。


……全然おさまってなんかいない。。



昨日の胃カメラ検査の麻酔は直ぐに利いたのに…。


その間にも、私はまた吐いてしまった。



だけど母は、朝早くに家を出てきてしまったので、


朝食の片付けや洗濯の事を気にしているようだった…


私は心細かったが自分から切り出した。


美優『点滴まだ長くかかるし帰っていいよ。』


母『一人で大丈夫ね?じゃ点滴が終わる頃に迎えにくるからね。』


そう言って、お茶とポカリを置いて帰っていった…



(あぁ…どうしよう…。ホントに心細い…。)



そう思いながらも、


もう少し点滴が入れば、効いてくるだろうと信じた。


その時は、そう祈るしかなかったのだった・・・。
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