シンデレラガール〜私と病気と失恋と〜
私は目を開けたり閉じたり、


少しづつ意識が遠くなって行くのを感じた…。


だけど時より訪れる吐き気のおかげで、現実の世界に戻される。


だけど、吐き気があってよかったのかもしれない…。


そのまま眠ってしまっていたら、


もう二度と起きる事ができない気がしたからだ。






――ようやく紹介状ができ、次の病院へ移る事に…。


私の容体は一刻を争う危険な状態だと判断され、


救急車に乗せられた…。


もちろん救急車に乗るのは初めてだった。


(サ…イレン?……あ…あぁ…今………救急車の………中なんだっけ……………………………………。………私、どう………なっちゃう……の…………………………。)


薄れる意識の中、そんな事を考えていた。


昔から救急車の中ってどうなってるんだろう?


と気になっていたが、


いざ自分が乗っているときは、


何の余裕もなく、


全く覚えていなかった―――――。
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