Second Secret
悠梨ちゃんを返してほしければ、仕事を引き受けるべし。

上城さんがにこにこしながら見せてくれたメールは、そんな文章だった。


「きっとすぐ来るね、あいつ」


上城さんがそう言って笑ったけど、私はぎこちない笑いしか返せなかった。

この強引で卑怯なやり方で本当に良かったのかって、今でも思ってるから。


それよりも。


「あの、上城さん。これ、もう外してもらっていいですか?」

「あー、うん、雅斗が来たらね」

「え、いや、あの...」

「ごめんね、これ、半分俺からあいつへのいじめだから」


やっぱり上城さんはにこにこしてて。

きっと上城さんはこうして先生をからかうのが楽しくて。

そしてきっと先生はいつもそれに振り回されてるんだ。
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