Second Secret
そばに来て、頭を優しく撫でる。

それが余計に私の涙を誘う。


「大丈夫、大丈夫だからね」


辛いときに、大丈夫って言葉はよくないんじゃないかって前から思ってた。

だって、余計に涙が溢れるから。

腕の自由が利かないから、拭えない涙がみっともないくらいに零れて。


私が泣き終わるまで、上城さんは私の頭を撫でてくれていた。


時間にしたらそんなに長くない。

多分、1分も経たないくらい。


「誰にされた?」

泣き止んで落ち着いた私に、上城さんはそう聞いてきた。


この話をして、どうにかしてほしいわけでもないし。

どうにかなるわけでもないけど。

やり場のない気持ちを、外へ出したかったんだ。
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