Second Secret
「仕事、やるんだよな?」


黙ったままの先生に、上城さんはそう声をかけた。

ネクタイが解かれて、やっと私は自由になる。


「こんなくだらないこと、またされても困るからな」


やっと喋った先生のその声が、あまりにも低くて。

またこれだ、この申し訳なさは、キスのときと同じ。

頭の中で、ごめんなさいって言葉だけがグルグルしてる。


「ごめんなさい...」


自分でも驚いた、頭の中の言葉が口に出てしまうなんて。

私を見てる先生。

何も言わない上城さん。


そんな冷たい目で私を見ないでほしい、心が痛むから。

先生は今、何を考えてるかな。
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