Second Secret
「大事なら、ちゃんと見といてあげないと。可愛い子は他の狼に食べられちゃうんだから」


ふざけた例えを話してるのに、上城さんの顔は真剣で。

ここで話を止めたところで、先生は絶対に追及してくるだろうから。

一瞬先生が私を見て、私は目を逸らして、そのまま俯いた。


心の中は、ごめんなさいでいっぱい。


「言いたいことがあるならハッキリ言えよ、めんどくせえ」

「キス、されたんだって。雅斗の友達に」

「...は?」


多分今、先生は私を見てて。

上城さんも私を見てて。

そう思うから余計に顔が上げられなくて。


私は下を向いて、涙を堪えてた。
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