Second Secret
「じゃあよろしく頼むよ、秋原さん」


編集長は最後に笑ってそう言って、席を立った。

よろしく頼むって言われても。

渡された新人教育項目リストを見て、うんざりする。


私だって同じように教えてもらったけど。

だからって私が教える立場になるなんて無理だ。

仕事もプライベートもわがままな作家...と彼氏を抱えてるっていうのに。


何って、時間と心の余裕がないんだ。

ただでさえ今は、この間無理やり先生に引き受けさせた企画で忙しいのに。


それに。

上城さんに暴露されてしまったキス事件のせいで、先生は必要以上に私を外へ出さないようにしてくる。

今までは普通にできていた出社が、今では毎日先生を説得しなきゃいけない。
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