Second Secret
まだ何か言ってる佐伯くんをあしらいながら、会社を出る。


そこで私は立ち止まった。

だって見間違いかと思ったから。

でもそんなわけもなくて、そこにいたのは紛れもなく、先生で。


何でここにいるんだろう。

嬉しくて、その胸に飛び込んでいきたいけど。

ここに来たのには何か理由があるんじゃないかと、心配になる。


何かあったのかな。


本当に行かないんですか、なんてまだ言ってる佐伯くんをほっといて。

先生の方へ駆け寄った。


「どうしてここにいるんですか」

「...お前が、帰ってこないから」


鷲掴みされるって多分、こういうこと。

心の中が、ギュってなる感覚。
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