Second Secret
私の腕を掴んで、引っ張ってその場を離れる。

呆気に取られてる佐伯くんの顔が何とも言えない。


返してって急に言われても、そりゃ何がなんだかわからないよね。

私だって意味がわからない。

でも何かを言える時間もなく、先生はどんどん歩いていってしまう。


「あの...先生」

「腹減った、ホットケーキも作れよ」


お腹すいたら、冷凍のおかずあっためてってメールしたのに。

なんて思いながら、にやついてしまうのは。

私の帰りを待っていてくれたことが、本当に嬉しかったから。


「特盛で作りますよ」


笑顔の私、少しだけ笑ってる先生。

これからは、頑張って早めに帰れるようにしよう。
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