Second Secret
「すみません、ご迷惑をおかけしたみたいで。ほら、下りろ、いい大人が恥ずかしいだろ」


何その言い方。

しかも最初の方なんて、まるで棒読みだし。

先生はやっぱり、私が怒ってるなんて気づいてないね。


「秋原さん、ほら、下りてください。彼氏さんが心配してます」

「彼氏ー?こんなやつ彼氏なんかじゃないもん!私、佐伯くんと付き合うー」

「悠梨!」


反射的にっていうか、驚きすぎてっていうか、するすると私は佐伯くんの背中から下りる。

だって先生があまりにも大きな声で怒鳴るように私を呼ぶから。


こんなときだけ、名前呼んじゃってさ。

それに、そんなに怒鳴らなくたっていいじゃん。

そんなに、冷たい目をしなくてもいいじゃん。
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