Second Secret
「そんなの、別に何とも思ってねえよ。俺こそ、あんな態度とって悪かったな」


語尾の方にいくにつれて、声は小さくなるし、目は逸らしだすし。

そして私は、それを見て口元がにやけてくる。


ひどいこと言ってしまったことに、怒ってたんじゃなくて。

佐伯くんといつも一緒にいる私が気に食わなくて、嫉妬してたなんて。


あまりにも先生らしくなくて、何だか可愛いから。


「あいつと一緒にいるのは、仕事だからってのはわかってる。でも、まあ、その...あれだ、できるだけ、早く帰ってこいよ」


こんな風に照れてる先生も、こんなこと言う先生も、大好きだ。

いつもはあんなに強気なくせに。

こんな先生も、たまにはいいかもね。


「でも、今日のあれはなんだ」


前言撤回、やっぱり強気な先生だった。

だって目が怖い、この態勢が、何とも危うい。
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