Second Secret
そんな佐伯くんはというと、まるで漫画のように口をポカンと開けて立ち尽くしていた。

まさか私が担当してるだなんて思わなかったんだろうし。

そしてまさか今から会いに行く人が、その先生だなんて思いもしなかっただろう。


きっと今、彼の頭の中は真っ白だ。


「ほら、早く行くよ」

「え、ちょ、ちょっと待ってください。え、え?ど、どうしましょう秋原さん」


かなりテンパってる様子の佐伯くん、まだ何かブツブツ言ってる。

向かう途中も、俺どうしたらいいですかとか、会ったら泣くかもしれないとか。

よくわからないことを一人で呟いてる。


いや、私に話しかけてきてるんだけど、面倒なだからそれを無視してるせいで、結局彼の独り言になっている。

そろそろ落ち着いたらどうなんだろ。
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