Second Secret
扉を開けて、予想通り先生はパソコンに向かってた。


帰る時間よりも早く、こうして打ち合わせなどをしに帰ってくることはこれまでも何度もあったから。

特にこんな時間に帰ってきた私を気にすることもなく、こっちを見向きもせずにパソコンに向かってる。


でも今日は、そういうわけにはいかないから。


「先生、あの、ちょっといいですか」


私の声に、先生がようやくゆっくりとこっちを見る。

私の後ろでもたもたしてる佐伯くんを急かして、私の横へ並ばせる。


先生の嫌そうな顔は予想通り。

佐伯くんのきょとん顔も予想通り。


「今日からしばらく、彼が一緒にくるのでよろしくお願いします」

「なんで」


さらに嫌そうな顔をして、こんな素っ気ない返事も、予想通りだ。
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