Second Secret
会社に戻る途中、佐伯くんに何を話したらいいのかわからなくてずっと黙ってた。

佐伯くんもきっと同じで、しばらく黙ってたんだけど。

あの...って、本当に恐る恐る、私の様子を伺うように声を発した。


「秋原さんの彼氏...さんが、先生、ってことで...合ってます?よね?」


未だに信じられないんだろう。

そりゃそうだ、あんな見た目で、あんなことする人が自分がファンだった作家だったんだから。


「絶対に会社の人にも、誰にも言わないで。絶対に、約束して」

「もちろんです。でも、本当に驚きました」

「あんなのが憧れの先生で、がっかしりた?」


あんなに会うことを楽しみにして、どうしようどうしようって言ってて。

佐伯くんがどんな想像をしてたかはわからないけど、確実に想像通りでないことは確かだ。
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