Second Secret
「話、途中で止まっちゃったっしょ?続き、聞きたい?」

「...結構です」


何の目的でこんなことしてるのかわからないけど。

余計なお世話だ。

気にならないわけないけど、こんな人から聞くぐらいなら、先生本人から聞いた方がいい気がする。


「失礼します」

また軽く頭を下げて、歩き出す。


でもそれはすぐに、その人に止められてしまう。


掴まれた腕。

握らされた、何か。

君はきっと連絡してくる、そう耳元で囁く声。


結局、その人が先に歩いていってしまった。

手の中にある『何か』は、その人の名刺。


ああ、美容師だからあんな髪色なのか。

ていうか、連絡なんかしない。
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