Second Secret
でもはっきり言って、行ってよかったと思うことなんか一つもない。


「いいです、たまにはこういうのも」


嘘、もう二度と行きたくない。

でもあまり先生に気を使わせたくなかったから。

申し訳ないと思ってほしくなかったから。


「帰って飲みなおすか」

「だめですよ、先生だいぶ飲んでましたから」

「お前が飲んでないだろ」

「私はいいんです。ていうかただ先生が飲みたいだけですよね」

「わかってんなら、ちょっとぐらい付き合えよ」


なんてわがままに、結局付き合ってあげた私。

飲んだら、ちょっとは嫌なことを忘れられると思ったから。


でも、そんなわけなくて。

今、先生の寝顔を見ながら『さゆちゃん』のことで頭がいっぱい。
< 25 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop