Second Secret
先生には、友達に会ってくるなんて嘘をついて出てきた。

後ろめたさと、申し訳なさと。

とにかくいろんな感情が廻ってた。


それでもここへ来てしまったのは、自分の心の弱さのせい。

人の過去なんて気にしない、なんて強さがあれば、きっとこうはなってないんだと思う。


「絶対連絡してくると思った」


その言葉に、何の返事もできない。

話を聞いて、早く帰ろう。


「あの、時間があまりないので、手短に話してもらってもいいですか」


嘘だけど。

この人とたわいもない話をするつもりはない。

聞きたいことは、ただ一つだけ。


先生と、『さゆちゃん』のこと。
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