Second Secret
「何か言ってくださいよ...」


そんな私の言葉にも反応してくれなくて、目も合わせない、何も言わない。

それどころか、私の自由を奪っていたネクタイを解こうとしている。

待って、それを解いたらきっと先生は、何事もなかったかのように机に向かって仕事を始める。


私の話は、なかったことになるだろう。

それじゃあ、意味がないから。


「解かないで...」

その言葉にやっと反応した先生は、ネクタイを解く手を止めた。

そして多分、驚いて、私を見てやっと目が合った。


なんて切ない顔をしているんだろう。

なんて悲しい顔をしているんだろう。


なんで、そんな顔をしているんだろう。
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