Second Secret
「寝たふりなんて、度胸あることしてくれるな」


度胸って、別に寝たふりに度胸とかいらないし。

それよりも、本当に寝そうで。

頭の中がぼんやりしてくる。


「なあ」

先生のその声が、ぼやぼやした頭の中で響く。

でも、もう目を開ける気力がない。


「さゆのこと、誰に聞いた?」


その質問に答えて、先生は一体どうするつもりなんだろう。

答えた方がいいのか、内緒にしてあげた方がいいのか。

それすらも考えられないくらい、もう眠気に襲われていた。


その微かな意識の中で、先生が私の頭を撫でたのを感じた。

「...おやすみ」

ため息なのか、ただ偶然深く息を吐いただけなのかわからないもののあと、そう呟いた先生。


今日は、よく眠れそう。
< 50 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop