Second Secret
「着いたぞ、起きろ」


そう先生が私を起こして、目を覚ます。

どのくらい経ったんだろう、多分、そんなには寝てないはず。

なのに。

全く掴めない状況下に置かれてる。


「なんですか、これ」

「何って、見りゃわかるだろ」


いや、そりゃ見ればわかるんだけど。

そういうことが言いたいんじゃなくて。


「あの、確認しますけど、日帰り旅行なんですよね?」

「ああ、気が変わったんだ」


気が変わったじゃ、済まされない。

今目の前にあるのは、大きな旅館。

そして私は明日会社で仕事をしなければならない。


前とは違って、家で先生の見張りばかりしているわけにはいかないんだ。
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