Second Secret
「なんだ、じゃあ帰んのか?」

「...誰もそうは言ってないですけど」

「俺と一泊旅行は嫌か?」

「だから...そうじゃないです」


ずるい、本当に。

だって嫌なわけないし、先生だってそれはわかってる。

嫌じゃないなら、文句言うなって言いたいんだろう。


結局、旅館に足を踏み入れてるわけなんだけど。

一言で言うと、高そう。

ファミリーでわいわいがやがやっていう感じの所ではない。


「予約した柳川です」


なんて、フロントで言ってる先生。

何が「気が変わった」よ。

最初から泊まる気満々のくせに。


先生の嘘を、どうやったら見破れるんだろう。

いつも私ばかり、見破られてる。
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