どうして私を選んだの?~2度目の恋*涼太SS〜【完】
私は、あまりの驚きから、カチンと、あからさまに固まってしまった。
『…りょ、涼太くん』
そして、涼太くんの名前を呼ぶ。
さすがに心臓に悪い。
ドキドキが涼太くんにまで聞こえてしまいそうだ。
でも、
『…もう少しだけ』
切なそうにそう言って、さらにギュッと抱き締める力を強めた涼太くんに……気づいたら私は、おそるおそる背中に手を回して抱き締め返していた。
『…花音さん、』
『な、何…?』
耳もとで優しく名前を呼ばれ、変に緊張してしまう私。