きみくじ当てます
キャラメルはどっち?
当たり前だけど、王子役に決まった真宏は最高に不機嫌だった。
「悪いね真宏。俺、王子なんてキャラじゃねーから」
「アリだと思いますよ、やさぐれ王子」
真宏はふいとそっぽを向き、指で机をトントン叩きはじめた。
相当機嫌悪いなこりゃ。
俺は真宏を見つめつつ、紙パックジュース(オレンジジュース)のストローをくわえた。
ちゅー
ま、いいか。
「おーい真宏。これ台本ね」
活発な女子の山崎が、台本をドンと真宏の前に置いた。
「真宏が王子役なんて最高よね。ぴったりよ、おーじ様!」
バンバン真宏の背中を叩きはじめた。
やめてくれ。
これ以上真宏の機嫌を損ねないでくれ。
「あ、遼平。あんたの配役も決まったわよ」
「え、俺?」
いきなり矛先が俺に向いた。