きみくじ当てます


【遼平】






あれから数日がたち、とうとう俺は柊と何も話さないまま文化祭当日を迎えた。



仕方ないだろ。

柊が話したくないっていうんだから。



練習中も、柊は俺と目を合わそうとしなかった。

俺がたった一言を演じているときですら、こっちを見ることはなかった。



完全なる拒絶。



神様、俺はもう死んでしまいそうです。



ボケーッと壁に寄りかかってみんなが衣装を着たりセリフ合わせをしたりして浮かれているのを見ていると


お決まりのようにバコンと後頭部をやられた。



「まひろ」


しかも今度は台本なんかではなく、王子の聖なる剣だった。


「しらけてんね」


真宏の顔はいたって真剣で、俺で遊ぼうとかいう魂胆ではないらしい。


「文化祭だからって、浮かれられるような心境じゃねーんだよ」


「遼平」


ふん、とそっぽを向くと、盛大なため息をつかれた。


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