きみくじ当てます


「好きなの?」


「え?」


「好きなんだろ?」


いきなり意味のわからないことを言い出した真宏をぽかんと見つめた。



何言ってるんだこいつ?



真宏は俺の視線も気にせず、さらに詰め寄ってきた。


「だーから、好きなんだろ」


「何を」


「柊ちゃんを」


「誰が」


「遼平が」


「俺が。……俺が!?」


真宏はこくりと頷き、そうだろ?とでも言いたげな視線を送ってくる。


ま、まさか


「そ、んなわけねーだろ」


「遼平、顔、顔。顔赤い」


真宏がにやにやしながら突っついてきて、イラっとする。


「別に…、そんなん、わかんねーよ」


俺の返事に、真宏はふぅんと笑って手を引っ込めた。


一番むかつくニヤニヤはやめてはくれないらしい。


< 101 / 148 >

この作品をシェア

pagetop