きみくじ当てます



「なんだよそれ、説明しろ」


「遼平、落ち着けよ」


思わず山崎に詰め寄ると真宏に制された。



なんっでにやにやしてんだコイツ!



山崎は俺を見て不思議そうにしながらも、


「優那ちゃん、男の子に呼ばれてさ、すぐ済むからっていうから行かせたんだけど。なかなか戻ってこないから探しまわったんだけど、みんな知らないっていうの」


「最初からそう説明してくれ、頼むから」


普通に説明できんじゃねぇか。






…つか、柊は。


そいつにのこのこ着いて行った、わけ?




なんか
腹立つ。


しかも戻ってこないって?


「真宏」


「んー?」


真宏は剣をふらふら振りながら俺を見た。

その仕草に周囲の女子がこそこそと色めき立っている。


「俺、喉乾いたから飲み物買ってくる」


真宏はくすっと笑って手を振った。


「はいはい。あ、俺もオレンジジュースね」


「お前のは買わねーよ」


王子に背を向けて、今度こそ俺は教室を出た。



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