きみくじ当てます
「柊さん」
後ろからした声に、2人して顔を向けた。
あ、
月島くん……
「柊さん、ちょっと話があるんだけどいいかな?」
月島くんはなんだか焦っているみたい。
何か手伝って欲しいのかな?
「だーれーよーあんた。今あたしが優那ちゃんと大切な話をしてるんですけどぉ?」
「や、山崎さん……」
なんでガン飛ばしてるの。
「あ、ごめん。でもすぐに済むから。ちょっとだけ借りてもいいかな?」
「いいわよ」
月島くんが申し訳なさそうに頼むと、山崎さんはけろりとそう言った。
「じゃ、優那ちゃん。終わったらうちのクラスに来てね~」
「うん。急いでいくね」
ひらひら手を振って去っていく山崎さんを見送ってから月島くんを見上げた。
「それで、話って?」
月島くんは黙って私を見て、少しためらうように視線を逸らしてから
私の腕を強く掴んだ。
「こっち、来て」
「え…」
そのまま走り出して、腕を掴まれたままの私は月島くんに連れられていくしかなかった。