きみくじ当てます

【遼平】


とりあえずオレンジジュースを買った俺は、ストローをくわえたままあちこち教室を覗いてまわった。


バルーンアート、クレープ、投げ輪、たこ焼き……


みんな色々やってんなぁ。



結構見て回ったけど、柊はどこにもいなかったし。


まあ、柊だから、
他のやつみたいにすぐに見つからないだろうと思ってはいたけど。


こうも見つからないとは。



…まさか、隠れてんのか?




そうだ、柊は俺に会いたくないんだから……


ヤベ、へこんできた。



「くーがーくん、どうしたの?目が死んでるけど」


「は?河野?」


河野が首を傾げながら顔を覗き込んできて、少し後ずさった。


「もう、何?その反応!久賀くん私が嫌いなの?」


河野はくすくす笑いながら俺の腕をパシパシ叩いてきた。


「いや、別に。出たと思って」


「私はオバケじゃないわよ」


河野はさらに笑ってから、


「で、何してるの?」


と聞いてきた。


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