きみくじ当てます
【優那】
「………」
「………」
ちゅ、と音をたてて月島くんの唇が離れた。
「………っ」
わたしは口をパクパクさせながら、唇が触れたおでこに手をあてた。
な、
なんで??
月島くんは壁に肘をつけたまま、わたしをじっと見つめた。
厚い壁と重い扉で遮断された倉庫は、文化祭で賑わっている外の音が全く聞こえない。
「…殴んないの?」
「な、殴るとかそんな」
戸惑いを隠せないでいるわたしを、月島くんは黙って見下ろしてから
ふっと笑った。
「やっぱり、これ以上は無理だ」
そう言って、わたしのリボンを緩めて
ブラウスのボタンをひとつ、外した。
「つ、月島くん!」
やだ…!
焦って止めようと月島くんの腕を掴むと、やんわりと解かれた。
「お願いだからじっとしてて。何もしないから」
「でもっ」
「今度は口にするよ?」
唇を指でなぞられて、きゅっと口を閉じた。
腕を下ろしたわたしの頭に、月島くんは手を乗せた。