きみくじ当てます
倉庫


【遼平】


「柊!」


そう叫んで勢いよく扉を開けたところまでは良かった。


「久賀くん!」


柊の声がして、その方向を見た途端。



バターン!



…俺はまた勢いよく扉を閉めた。


隣で河野が何が起こったかわからない、というように口をぽかんと開けてぱちくりしている。





いや、



だって



何か、

男といた。





「………」


ボタン開いてたような気がする。

柊はあいつと?


「久賀くん……」


河野が俺の背中にそっと手を当てた。


「柊さんてあんな人だったんだね、誰でもいいんだ」


「………」


「ああいうこと、するんだもんね」


誰でもいいんだ。



ああいうことするんだもんね。



河野の言葉が俺に重くのしかかり、胸に渦巻く灰色がかかった。



くそ……



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