きみくじ当てます
嘘だろ………
うなだれて自分の足先を見つめたとき。
‘見誤るんじゃないよ’
‘大切なものは何か、よく理解しておけ’
オッサンの声がふいに頭の中に響いて
はっと、俺は顔をあげた。
そうだ。
柊は
そんな奴じゃない。
今のだって何かの間違いだ。
俺はさっと扉に体を向けてそれに手をかけた。
「久賀くん?」
河野が目をまるくしているのを横目に、俺は扉を開けた。
倉庫の中に足を踏み入れるとカビの臭いが鼻についた。
先程と変わらず2人は一緒にいて、柊は壁にはりついたままぱちくりとこちらを見ている。
俺はつかつかと足早に寄ると男の肩を掴んだ。
男はゆっくりとこちらに顔を向けた。
こいつは、
確か………
柊と同じクラスの、
月島?
「なに?」
なにって、
「柊を離せよ」
そう睨むと、月島は
「なんで?」
「…………」