きみくじ当てます
じゃあ、なんて言って手を振って出ていく月島を追いかけようとしたが、柊を残して行くわけにも行かず足を止めた。
バタン、と無情にも倉庫の扉が閉まる。
「………」
「………」
沈黙。
「………」
「………」
この状況で、
何 を 話 せ と。
さっきみたいに、喚くとか叩くとかしてくれ、お願いだから。
「………」
「………」
「………」
「………」
「「あのっ」」
あ、
とお互い目を合わせてからしばらく止まった。
前にもあった、似たようなやりとり。
柊もそれを思い出したのか、くすくすと笑った。
その様子に安堵して俺もほっと肩の力下ろした。
はぁ、とりあえずは助かった。
お互いに笑いあったあと、
柊は少し目を逸らして、あのね、と口を開いた。
「月島くんは、ほんとに悪くないの。何がしたかったのかわかんないけど」
「うん」
「月島くんのこと、責めなくていいから…」
「…うん」
それが本当なのかどうかは、全くわからないけど
柊が傷ついていないようだから、もういいと思った。