きみくじ当てます
何もされてないわけない、なんて疑りながらも、柊が平気そうにしているのを見て複雑な気持ちになる。
嫌じゃなかった、……とか。
ボタンまで外されておいて?
もやもやと考えている俺を、ぱ、と柊が見上げた。
やば。
「でも、久賀くんが来てくれて嬉しかったよ。とっても。ありがとう」
「……どうも」
「あはは、久賀くん照れてる!」
「照れてねーよ!」
おかしそうに笑う柊。
だけど俺はそれどころじゃなかった。
気にせず笑う柊は、忘れているんだろうか……
忘れてるだろ!
「あーもう無理!」
「え?」
きょとんとする柊のブラウスの前を急いで掻きあわせた。
柊ははっと、ようやく思い出したらしい。
あの、その、と言いながらあわあわしている。
そんな柊を見ていたらなんとなくいじめたくなってきて
「誘ってる?」
「えっ…」
そんなことを言って柊をさっさと解放しなかったのがいけなかった。
「久賀く、」
「ぎゃあああチカーン!!」
「ぐはっ」