きみくじ当てます


背中に走った衝撃に、俺は床に倒れ込んだ。


「いって…」


「ぎゃああ!ぎゃああ!優那ちゃん無事ー!?」


喚き散らしながら柊に駆け寄るのは、やっぱり山崎だった。


よかったああ、なんて言いながら柊に飛びつく山崎を白い目で見ていると、肩をポンとたたかれた。

顔を向けると、薄く笑った真宏が俺を見下ろしていた。


「ご苦労様」


そう言って差し出してきた手を、むっとしながらも掴んだ。


「全くだ」


真宏はふ、と笑って俺を引き上げる。

よろめきながら立ち上がり、山崎から蹴られた背中をさする。


いてー。

あいつ本気で蹴りやがったな。


「で?」


痛みに顔を歪めながら真宏に体を向ける。


「なんで2人してここに来たんだ?」


反応したのは真宏ではなく山崎で、眉を吊り上げながら俺を見てきた。


「あのねー、もうすぐ順番がまわってくるのに久賀までもが戻って来ないから慌てて2人で探したのよ!」


「俺は引っ張られてただけだけどね…」


珍しく真宏がげんなりしている様子を見れば、山崎に相当引きずりまわされたらしいことがわかる。



真宏もご苦労で……


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