きみくじ当てます
【優那】
喉元を狙って突きつけられた剣に、ただただ目を瞬かせるしかなかった。
山崎さんに引っ張られながら教室についたと思ったら、今度は河野さんに引っ張られて、気づいたらこんなことに。
なんで??
河野さんはきつくわたしを睨みつけて、唇を噛んでいる。
怒っていても河野さんは、それでさえ魅力的だった。
「どうして、柊さん、なの…!」
絞りだすように河野さんが呟いた。
「なんで、うまくいかないのよ…!」
ぽろり、と河野さんの目から涙がこぼれて、それが頬を伝って床に落ちた。
「河野、さん……」
「………っ」
わたしが河野さんの名前を呟いた瞬間、河野さんは剣を振り上げた。
殴られる!
自然と頭を両手でガードして縮こまって、衝撃がくるのをまった。
だけど、いくら待っても衝撃も痛みも何もない。
「……?」
不思議に思って顔をあげると、河野さんの腕を、誰かが。
九条くんが掴んでいた。