きみくじ当てます

「いいから合わせろ。どういたしまして、お二人の役に立てて嬉しいです、て言え」


「え」


「はやく」


久賀くんに急かされて、わけがわからないまま頷いた。


「どういたしまして。2人の役に立てて…、あ、違う。お二人の」


「あー、優那ちゃんもうなにやってんのよー!大事なとこでセリフ間違わないでっ」


山崎さんが飛び込んできた。

わたしの頭をぽんぽんとして、みんなに向かってにこっと笑った。


「びっくりしたー?以上、レギュラー陣からのサプライズでした!まぁ、イレギュラーもいたけど」


なんてぺろ、と舌を出して言う山崎さんに、みんなが何なにー?と詰め寄っている。


「みんなの緊張を解こうと思って、サプライズやったのよー。びっくりした?びっくりした!?」


「びっくりどころじゃないよ~。河野さん、演技うますぎ!」


女の子に言われて、河野さんは、そんな、と顔を染めている。


「ほら、もうすぐ出番だよ!うちら急いで着替えるから、みんなステージの準備してきて!」


山崎さんはしっしっ、とみんなを教室から追い出し始めた。

みんなも時間に気づいたようで、はやく来てね、といいながら慌てて廊下を走っていった。

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