きみくじ当てます
自販機の前で、見たことある髪型を見つけた。
みかん、じゃなくて…
柊優那?
「よぉ」
ぽん、と肩に手を乗せると、柊は驚いたように振り返り、そして笑った。
「久賀くん」
「何買ったの」
「わたし?」
「お前以外に誰かいんの?」
ふざけて手を目の上にやり、キョロキョロあたりをみまわすと柊はくすくす笑った。
人は結構いたけどね。
「ミルクティー。好きなんだ」
「ふーん」
柊が持っているミルクティーの紙パックに視線をやりながら、百円玉をチャリンと投入。
「久賀くんは何買うの?」
「俺?俺は――」
あ、やべ。
ガコン、とジュースが出てきた。
固まった俺の代わりに、柊がジュースを取り出した。