きみくじ当てます


パタパタパタ…、と

みんなの足音が聞こえなくなってしまうと


教室の中に沈黙が訪れた。


残ったのは、久賀くんと九条くん、山崎さんと河野さん、それからわたし。


さっきまでざわざわと騒がしかったのに、まるで違う場所のように静かで


他の教室でやっている模擬店の客寄せの声や人の賑わいが遠くに聞こえる。


「……どうして庇ったの?」


しばらくしてから、河野さんが座り込んだままぼそりとこぼした。

それを聞いた山崎さんが、くるりと河野さんを振り返る。


「話を聞こうと思ってさ。優那ちゃんが姿を消したの、お姫…、梨花のせいでしょ?」


え?

とわたしが目をまるくしたのに関わらず、みんなわかってたみたいに平然としている。


嘘、間違った。


久賀くんもわかってなかったみたい。


河野さんはわたしを真っ直ぐに見た。


「だって、柊さんが邪魔だったんだもん」


どくん、と心臓が鳴って胸が苦しくなった。


河野さんは


わたしのこと、邪魔だと思ってたの……?


「久賀くんたら柊さんばっか見て、わたしのこと全然見てくれないんだもん……!」


< 130 / 148 >

この作品をシェア

pagetop