きみくじ当てます

「って、これ以上はマジでダメー!時間がないっつってんでしょうがあああ!」


「うわ、ぶっ」


山崎の上履きが俺の顔面に直撃した。


「早く着替えて!男子は廊下で着替えてこいやあ!」


「廊下は無理だろ」


一般人いるし。
変態か。


真宏はダンボールの中から自分と俺の衣装を見つけ出し、俺に投げてよこした。


「廊下は無理だけど、とにかく教室でよう」


真宏はそれだけ言ってさっさと教室を出た。


「さすが王子ね。どっかの誰かさんと違って気が利くわね」


「誰のこと」


「あんたのことよ、早く出て行けボンクラ!」


山崎に半ば追われるようにして教室を出された。

廊下に転がり出ると、真宏が呆れた顔をして俺を見下ろしている。


「…なんだよ」


「別に?遼平ってカワイソウだよナ」


「………」


なんでどいつもこいつも俺に対してそんな態度ばっかりとるんだ…





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