きみくじ当てます
君だけが
劇はなんとか時間通り始まり、順調に進んだ。
「楽しかったね。いっぱい拍手もらったし」
柊はにこにこしながら模擬店で買ったわたあめに口をつけた。
柊はイチゴ味、ピンクのわたあめ。
俺はオレンジのわたあめ。
「そうだな。もしかしたら、ステージ発表の部で優勝できるんじゃねぇの」
「うん、そうかも!そうだといい!」
「言っておくが柊は隣のクラスだからな。自分のクラスを応援しろよ」
「あ、そっか。…でもうちのクラスは模擬店の部だから大丈夫!」
ふわふわのわたあめに口をつけると、かすかなオレンジの香りが口の中でほどけた。
さすが、
甘ぇ~
疲れが癒やされるな。
じんわり体に染み渡る甘さに浸っていると、柊がじっとこちらを見上げていることに気づいた。