きみくじ当てます
「…なに」
視線を柊とは反対のほうへ逸らして、頬を掻く。
「久賀くんて、ほんと柑橘系好きだね。」
「まあね。なんでだろうね。なんとなく好き」
「へぇ~」
柊がじっと綿あめを見つめているから、食べたいのかと思って差し出した。
「食べる?」
「えっ」
柊はちょっと驚いたような表情をみせたあと、リンゴみたいに顔を赤くした。
「ごめんなさい、そういうつもりじゃなくて、わたし…」
「なんだ。じゃあこれ少しやるから、柊のも少しちょうだい」
柊の手からイチゴ味を奪いとり、代わりにオレンジ味を持たせてやると、柊は顔を赤くしたままオレンジを見つめた。
不思議に思いながら柊の様子を伺うと、柊は慌てて顔をあげた。
「そういえば久賀くん、わたしに話したいことがあるって言ってなかった?」
「言ったっけ、そんなこと」
「言ってたよ。倉庫で」
ああ、
そうだった。