きみくじ当てます


「うそ…」


「嘘じゃねーよ…、って…なんで泣いて!?」


涙に気づいた久賀くんは、ぎょっとして目をまるくした。


わたしの目からこぼれた涙は、地面に落ちて染みた。


「だって、どうして?わたしは久賀くんに悪いことしか起こさないんだよ。もう近づくなって言われるのかとばかり…」


「残念ながら、俺はそんなこと米粒ほども思ってないな。」


だからもう泣くなと言って、制服の袖で乱暴にわたしの涙を拭った。

久賀くんらしいな、とくすりと笑うと、久賀くんは黙ってわたしを見つめた。


そして、わたしの肩に手をかけた。


「柊といると、どうなるか先が読めなくて、わくわくするしドキドキする。他の奴じゃ…真宏でさえ、あり得ないことだ」


< 139 / 148 >

この作品をシェア

pagetop