きみくじ当てます
「オレンジジュースだ」
あー、やっちまった。
真宏オレンジジュースはやだって言ってたのに。
……ついクセで。
「どうしたの久賀くん」
「あ、あー…なんでも。ありがとう」
首を傾げる柊から、お礼をいいつつオレンジジュースを受け取った。
もう金ねーよ。
真宏に殴られる。
「あ、そーだ」
ふいに、柊がポケットを漁りだした。
出てきたのはキャラメルの箱。
柊はひと粒取り出して、俺にくれる、かと思いきやさっと両手とも背中に隠した。
なんだ……?
「はい、どっちでしょ!」
戸惑っている俺の前に、柊は握った両手を差し出してきた。