きみくじ当てます

真宏の獲物を捉えたような目に思わず固まると、真宏は俺の隣をすり抜けていった。

真宏が向かう先には、女子生徒の塊が。


女子生徒の向こう側から、なんか聞き覚えのある男のデカイ声が聞こえてくる。


まさか、

いや、確実に。


真宏が探しているのって…



真宏は女子を掻き分けお目当ての人物に辿り着くと、男の悲鳴とともに女子の塊から出てきた。

男の耳を引っ張りながら。


「こんなところで何してんの。母さんに言いつけるよ」


「ゆ、許してくれ!今すぐ出てくから、母さんにだけは!」


「ダメ。いい加減にしろ」


真宏に懇願する男に、俺と柊は目をぱちくりさせた。


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