きみくじ当てます


真宏はすんなりと承知して、目の前でキャラメルを隠しおった。


「バカ、それじゃどっち入ってるかまるわかりだろ」


「どうせ当てるじゃん、遼平」


「いいから後ろ隠してやれよ」


「なんなのお前」


ぶつくさ言いながら、真宏はしぶしぶ隠しながらキャラメルを握った。


「ほら」


差し出された2つの拳を、俺はぎっと凝視してから左手を指差した。


「こっち」


真宏はつまらなそうに左手を開いた。

そこにはちゃんと、キャラメルが乗っかっている。


「真宏、もう一回」


一回じゃわからない。

たまたま当たっただけかもしれない。


俺がせがむと真宏は顔をしかめた。


「どうしたんでちゅか遼平くん」


「キモイ」


「キモイのはお前だよ。どうしたんだよ」


そう言いながらも真宏はまたやってくれた。


< 17 / 148 >

この作品をシェア

pagetop