きみくじ当てます
「ぎゃあああああっ!!」
「久賀ああぁ!!このヤロー!!!」
「死ね久賀!!腹こわせ!!」
「俺、くじ引いただけじゃん」
騒ぎまくる男子たちからの攻撃をよけながら、俺は『当たり』の割り箸を真宏に渡した。
真宏はとりあえずは受け取ったものの、わけがわからないという顔で俺を見た。
「なにこれ」
「王子役のプレゼント」
「やらないよ俺」
「俺よりお前がやったほうがお姫様も喜ぶと思うけど。ってことで」
俺は窓枠に足をかけ、
「あとは任せた!」
「遼平!」
窓から校庭に飛び出して(ここは一階)、真宏の呼び止める声を背中で聞いて逃げ出した。