きみくじ当てます
「キャラメル嫌いだった?」
え?
柊は申し訳なさそうに眉を下げている。
もしかして文句言われるとか、返されるとか思ってる?
「いや、柊…これはそのちがくて」
「ごめんなさい、押しつけちゃったよね」
柊は謝りながら、俺の手からキャラメルを取ろうとする。
俺はあわてて手を上にあげて、柊に届かないようにした。
まずはこの変な誤解を解かなければ。
「嫌いじゃねーよ!むしろ好きだ!」
やべ、ちょっと声がでかかったかも。
教室の中のやつらが一斉にこっちを向いた。
お前ら練習に集中してろ!
「そうなの?私てっきり…ごめんなさい」
柊はもう取るつもりはないようで、手を下ろした。
続いて俺も手を下ろす。
「いや、悪いのはこっちだよ。そう思うのも当たり前だ」