きみくじ当てます
ちょっと考えてから、右手を差した。
「こっち」
柊は楽しそうだ。
「当たり!」
開いた手には、キャラメルが乗っている。
あれ?
おかしいな、当たった。
「ごめん、もう一度いい?」
「うん」
柊はまたキャラメルを隠してくれた。
心の中では何だこいつ、とか思ってんのかな。
いやいや、思ってないだろ楽しそうだもん。
柊が出した手を、じっと見つめた。
「こっち?」
「はずれ!」
開いた手には何もない。
今度ははずれた。
やっぱ、はずれた。
「柊」
気づいたら、柊の手を掴んでいた。
柊は目を見開いて俺を見ている。
「今、何かした?」